LGBT当事者の自己形成における心理的支援に関する研究

LGBT当事者の自己形成における心理的支援に関する研究
-ナラティヴ・アプローチの視点から-
枝川京子(市立加西病院) 辻河昌登(兵庫教育大学)

本研究は, 多様で複雑であるとされているLGBT当事者にとっての人生の意味を, 当事者の語りから明らかにすることを目的とした。方法としては, 非構造化面接によって得られたナラティヴを当事者の経験の意味づけ, 語り手・聞き手の関係性という視点から, ナラティヴ・アプローチの枠組みを用いた。その結果, 語り手は語ることによって自分の経験に意味を与え, 更なる自己理解の可能性を見出すこと, また聞き手である研究者は単一事例研究として当事者の語りを分析することによって, 語り手が日々の行動をどのように秩序づけ, 経験として組織化し, それを意味づけているのかを理解できることが明らかになった。また, 得られたナラティヴの分析から, 学校教育現場におけるLGBT支援について, 探索的に仮説を生成し提案した。

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