自殺を考えたことあるLGBTQの人30% ストレートの5倍
アメリカ、ボストン、ノースイースタン大学のジョアンナ・アルメイダ氏は、ボストンの学校に通う13歳から19歳の男女1032人へアンケート調査を実施した。その内訳は女性が58%、黒人が45%、ヒスパニック系が31%、白人が14%だった。
全体で1032人のうち、LGBTQに該当すると解答したのは全体の10%103人だった。
彼らは差別や、ひどい扱いを受けた経験があり「うつ」症状があると確認出来た回答者も存在した。この論文で特に注目しているのは、今まで「自殺を考えたことがある」という質問にYESと答えた答者はLGBTQ該当者は30%。LGBTQに該当しない、いわゆるストレートは6%と、LGBTQ該当者は5倍も「自殺を考えたことがある」ことが明らかになった。
また自傷行為(リストカットなど)を実施したことがあるのは、LGBTQ21%、ストレート6%だった。
13歳から19歳は「思春期」であり、自分の性について気づく年頃だ。自分の肉体と、性的指向が異なることによって「困惑」するのだ。誰かに相談したいけれど、適切な人物が周囲にいない場合、「自殺」や「自傷行為」に向かってしまうという。本来ならば家族が彼らに寄り添うことが理想的だが、思春期の若者は両親に相談することが出来ない。もし拒絶されたら居場所が無くなるからだ。そして自分は「モンスター」なんだ。と自己否定を始める。
重要なのは、思春期に自分がLGBTQの可能性に気づいた若者が、気軽に相談出来る第三者の存在だ。両親でも、教師でも、友だちでもなく、LGBTQの実態をよく理解している人物の存在だ。
出典:Almeida, Joanna, et al. “Emotional distress among LGBT youth: The influence of perceived discrimination based on sexual orientation.” Journal of youth and adolescence 38.7 (2009): 1001-1014.