LGBTQブームが到来するはるか昔、小説「デットライン」はゲイであること、思考すること、生きることについて2000年代初めの頃を描いた。大学院生の僕は、自分のセクシャリティについて話すことが出来ず、19歳で両親にカミングアウトしたが理解されなかった。
LGBTQブームで当事者たちは社会に認知されてきているが、まだまだ偏見もある。社会参加のために、自分自身を見失うようなことはしなくていい。多様性のある社会にする為に、みんなが一人ひとりの個性を受け入れることが大事になってくる。
今まで20年以上様々なアプローチをしてきたが理解されず、苦しい辛い経験もあったが、この流れに妥協したくはない。ただ、手のひらを返した社会に僕は怒りを表明し続ける。
1978年生まれ、立命館大学准教授。初めての小説「デッドライン」で野間文芸新人賞を受賞。
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