社会での少数派を「いないこと」にしないで 

Gay

 金沢の美しい景色が「ずっとモノクロに見えていた」と話すのは石川県金沢市出身で、東京在住の松中権(ゴン)さんだ。ゲイであることをカミングアウトしたことで、色鮮やかになったという。「そうしたら、やっと自分の人生を生きているという感じがした」という。

 初対面は、金沢市主催のSDGsの集会。知り合いに誘われて参加した。そこでゲイの人、車椅子の人、環境に携わる人など、多種多様に活動している方と出会えた。更に、金沢市長とのティーミーティングに出席。ゴンさんはその場で「金沢市にパートナーシップ制度を設置してほしい」と強く話した。

 すると想像だにしないことが起きた。その約2カ月半後に、市長が議会でパートナーシップ制度を進める発言をしたのだ。ぜひ実行力のある「条例」にしてほしい。

 LGBTQ、障がいのある人、籍を入れてない夫婦‥社会の少数派の人は、まるで「いないこと」になっている。「そんな人はまわりにいない」と言う人もいる。

 でも、確実にいる。いるのに見えてない。隠している人も多い。「言ってもわかってもらえない」し、言えば「めんどくさいことになる」からだ。

 ゴンさんが言う「自分を生きている感じ」は、どんな人にも当てはまる話だ。だからこそ、「少数派」の人たちが辛く、悲しい気持ちにならないように、「ここにいるぞー」と往々にして声をあげたい。見えていないかもしれないが、間違いなく存在しているのだから。

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