学校におけるLGBTsの取り組みの必要性を喚起するとともに、当事者である児童生徒が傷つかないような実践や学校のあり方を提案する教職員向けの映像教材『LGBTsの子どもの命を守る取組』が完成した。
LGBTsの学齢期におけるいじめ被害、自傷行為の高さが国内外の研究で示されている中、教育現場は危機管理の一環としてこの問題を捉えることが重要である。
本巻では、LGBTsに関する授業の実現を目指す教師の姿を通し、実践的な取り組みに繋がる様々なヒントを伝える。
第一巻は『危機管理としての授業の必要性』。
からだは男性として生まれたが、性自認(自分が思う性)は女性の生徒が学校に足を運びやすいよう、担任教諭達が同僚らを説得しながら学校の施設、対応等を整え、授業を行うという内容。同性を好きになった児童の物語を通して、恋愛感情のあり方は決して画一的なものではなく、多様なものであることを学ぶ映像教材である。
実際の現場の教職員の意見をもとに構成を考案。
第二巻は、性や性的少数者について考える授業を行う先生を中心に進められる物語。LGBTsの児童生徒のみならず、非当事者の児童生徒の存在やその関わりにあたって、教員が留意するべき心得や注意点などを物語仕立てで紹介する内容となっている。
性的少数者の児童生徒をめぐっては、文部科学省が2015年に通知を出し、教職員向けの研修が実施されるようになった。ただ、授業となると難しさを感じる先生も。
日高教授は「授業のイメージがつきやすい内容にした。先生が自身の言葉で熱意を持って行うことが大切。クラスに当事者がいて、居場所のなさや不安、生きづらさを感じているかもしれないという想像力を持ち、活用してほしい」と話す。
学校が購入する場合は、1巻1万8千円(税抜き)。問い合わせは「サン・エデュケーショナル」(03・5428・5675)。(山下知子)
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